Peter Dae Young Kang
Foundation for Environmental Education Korea Chief Executive Officer

皆さま、こんにちは。まず初めに、日本ブルーフラッグ協会の皆さま、そして本サミットを開催してくださった関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。日本のみならず、インド、台湾、韓国などアジア各国が一堂に会し、ブルーフラッグや持続可能性について意見交換できる本機会は非常に貴重です。

先ほどの発表が自然環境の側面に焦点を当てていたのに対し、本発表では、環境に加え、ブランディングやマーケティング、ビーチ管理、観光といった幅広い視点から韓国の取組を紹介します。

国連世界観光機関(UNWTO)によれば、国際観光客の約73%が持続可能な観光地を志向しており、環境配慮は観光の前提条件となりつつあります。これは観光地の競争力に直結する重要な要素です。

韓国で初めてブルーフラッグ認証を取得したのは、全羅南道・莞島郡の「新地明沙十里ビーチ」です。この地域では、スマーフのキャラクターを活用したマーケティングを展開し、看板や教材、観光資源として活用することで、子どもから大人まで親しみやすい形でブルーフラッグの認知を高めました。写真撮影スポットとしても人気を集め、効果的なプロモーションにつながっています。

FEE Koreaは2016年に設立され、現在は85か国が参加する国際ネットワークの一員として活動しています。ブルーフラッグをはじめ、グリーンキー、エコスクール、YRE、LEAFといったプログラムを展開しており、これらを連携させることで、より大きな相乗効果を生み出すことが可能です。

韓国のビーチの現状としては、約271の登録ビーチ(未登録を含めると約400)が存在し、年間約5,500万人が利用しています。こうした中で、莞島郡は「清らかな海の首都」というブランドを掲げ、ブルーフラッグを導入しました。

導入以前は、水質や砂浜の状態以外に明確な基準がなく、安全管理や環境対応も十分とは言えませんでした。そこで、国際的なエコラベルであるブルーフラッグを採用し、客観的な評価によって地域の価値を示すことを目指しました。

ブルーフラッグの基準は、「水質」「安全」「環境教育」「アクセシビリティ」の4つの柱から構成されます。特に水質については、韓国ではEPA基準が用いられていましたが、より厳格なWHO基準との比較を通じて、国際的な水準を意識した管理の重要性が認識されました。

安全面では、ISO 31000に基づくリスク評価を導入し、ライフガードの配置や設備を科学的に決定する仕組みへと転換しました。従来の経験則に頼った運営から脱却し、来訪者に対して高い安全性と信頼性を提供できるようになっています。

また、環境教育の取組として、ビーチを年間を通じて活用する活動を展開しています。オフシーズンには、地域住民や子どもたちが参加するプログラムを実施し、SDGsと連動した教育機会を提供しています。さらに、ノルディックウォーキングなどの健康プログラムも導入され、観光の通年化と地域経済の活性化に寄与しています。

アクセシビリティについては、外国人観光客も含めた多様な利用者を想定し、多言語表示やピクトグラムの導入を進めています。一方で、車椅子利用者への対応など、完全なバリアフリー化にはまだ課題が残されており、今後の重要なテーマとなっています。

ブルーフラッグ導入の効果として、ビーチの環境改善、安全性の向上、教育機能の強化に加え、経済的な成果も見られています。莞島郡では来訪者数が約27%増加するなど、観光振興にも寄与しています。

現在、韓国では5つの認証ビーチがあり、2026年までにさらに拡大する計画です。また、グリーンキーなど他のエコラベルとの連携により、宿泊施設や教育活動と結びつけた持続可能な観光モデルの構築が進められています。

本日の発表が、皆さまにとって新たな視点やヒントとなり、それぞれの地域での取組に活かされることを願っております。ありがとうございました。